『はなしの内容までは教えてあげない』
寝ている顔が一番可愛い って
幸せっぽい時によく言われることだけど、
私はあなたと一緒にお風呂に入って
あなたが頭 洗っているときの顔が一番好きだ。
わたしはもう先に、頭もからだも洗ったりはすませて、
湯船の中につかっていて、
すこし熱いお湯にぽおーっとして、あなたの方を眺めています。
あなたは頭もくもくさせながら私に話しかける
いまこんなこと考えていて、
こういうふうにしたらもっとすごくなるんだよ って
(はなしの内容までは教えてあげないけどー)
あなたは目をつむっているけどさ、
楽しいこと 見ながら喋っているのがわかるよ
いつかさ、
私たちもなんとなく仲が悪くなって
会うたびに喧嘩したりするようになるのかな。
ならないよな ならないといいな
でも私には、
ずっと前のはなしだけど。そういうバカみたいな経験があるから
明日は喧嘩しないで楽しく遊ぼうって、夜に考えても
遊んでいたら、いつのまにか喧嘩していることに気がついて
はっ て
本当に、はっ って
気づいた瞬間のあの感じが忘れられない。
それが何回か続いた時に、
ほんとうに自然に その人と別れようって思った
なんでだ
一番好きな人の 一番好きな顔みながら
私はなにを考えているんだろう
もうなんかただ落ち込みたくて悲しいこと考える
最近ハヤリの女の子みたいじゃないかよ。
最近ハヤリの男の子みたいじゃないかよ。
なんとなく
反省したり隠れたくなった私は、
顎からまっすぐ、顔をおろして お湯につかってみる
私の口が水面よりも下に沈んで
ぶくぶくと泡を吐いた
あなたの頭の上のシャンプーの泡は
もくもくと元気いっぱいなのに、
私の口からでた泡は
すごいスピードでのぼっていくと、
水面に出た瞬間に
あっけもなくパンパンと消えていく
私は 思いたって
湯船につかったまま、腕だけ思い切りのばして
シャンプーの頭をなんとか2回たたいて
手のひらに乗ったシャンプー液を
もうリンスも済ませた自分の髪の毛につけて
ごしごし洗い始めた
気配を感じたあなたが薄目をあけて
え?なにやってんの?
やめてよお風呂もっかい入るんだから、お湯汚れんじゃん!
って、怒った。
薄目で
目がしみるくらいどうってことないのに、
絶対に目にシャンプーが入らないようにしているのが、
それでも慌てて怒っていることが
本当に子供みたいに臆病にみえて可愛かった
私は全然平気なんだけど、
あなたの真似して薄目にしてみる
お風呂で
ふたりとも薄目でさ
まるでここが
とてもまぶしい場所みたいになった
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